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6月9日『댄스시어터 컨택트(Dance Theater Contact)』_e0355303_23144347.jpg

2017年4月30日 15時~
LG아트센터(LGアートセンター)

노란 드레스 여인: 김주원 마이클 와일리: 배수빈
制作:오디컴퍼니 주식회사, 롯데엔터테인먼트



この度10日間だけやった『コンタクト』。
前から見てみたいなと思っていた作品だったのと、丁度インターパークで割引クーポンが出たので即予約。

一応“ミュージカル”に分類されるようなのだけど、歌は歌わないし、完全にダンスを見る作品。
と言っても現代舞踊や舞踏のように小難しくなく、“ダンスシアター”とついている通りな雰囲気だった。
開演前に舞台の上にはジャン・オノレ・フラゴナールの『ぶらんこ』(1767年)が立てかけてある。
ブランコに乗った女性の絵で、エピソード1『Swing』はその絵そのまま。
ちょっと下品で、ストーリーはあってないようで、??って感じなスタートの仕方。
エピソード2『Did you move?』からちょっと面白くなってくる。
空想の中で踊りまくるおばちゃんが可愛い。
あんなにニコニコしているのに、空想の中では夫を殺してしまうという展開がちょっとブラックで、笑っていいのかダメなのか・・・(笑っちゃうんだけど)。

インターミッションを挟んで、エピソード3『Contact』。
ストーリーはなんてことないのだが、いやあこれが見応えがあった。
時間があっという間に経ってしまった。
スウィングダンスが最高に楽しくて格好良くて、ずっと見ていたいくらい。
それからなんと言っても、メインポスターでも強烈な印象を残している、“黄色いドレスの女”がすってきー。
キム・ジュウォンさん、背筋がピンとしていて、ダンスも素敵でちょう格好良かった。
マイケル役のちょっとよれた感じのベ・スビンさんも、雰囲気があって良かった。

6月7日『록키호러쇼(THE ROCKY HORROR SHOW)』_e0355303_23071577.jpg

홍익대 대학로 아트센터 대극장(弘益大大学路アートセンター 大劇場)
2017年6月8日 20時~

프랑큰 퍼터: 마이클리 마젠타: 리사
리프라프: 고훈정 콜롬비아: 전예지
자넷: 이지수 브래드: 고은성
プロデューサー:오훈식 演出:오루피나 
脚色:오루피나, 이지나 音楽監督、編曲:김성수
振付:채현원 舞台:오필영 照明:원유섭
制作:R&Dworks



大好きなのである、『ロッキー・ホラー・ショー』。
2008年にはこれ見て年越したし(2008年)、振付も覚えてるし、OSTも持ってるし、映画ももちろん見た。
それがもんのすごいキャストで待望のカムバック、となったらもう見ないわけにはいかない。
その上この日は、実は初見のマイケル・リーに、リサお姉さまに、コ・フンジョン、コ・ウンソンの고고ブラザーズというヨダレもののメンツ。

聞くところによると、まだまだ韓国ミュージカル界草創期に近かった2008年の公演はいろいろ端折った部分があり、オリジナルチームはあの公演があまり気に入らなかったらしい。
そう言うわけで随分前から韓国側の関係者が英国に渡り、今度は守らなければならない部分はきちんと守って進めるし、こういうキャストを揃えるから、と丁寧に説得活動を行っていたのだそう。
だから、気合が入っているのがビシバシ伝わってきていて、私も相当楽しみにしていたのだった。
フォトゾーンも以下の通りだし、MDもめっちゃ可愛いし(早くも品切れ続出)、キャスティングは夢のよう、幕が上がればセットもかっちょいいし、いやー楽しかった。
入場の前に『月刊ロッキー』なんて名前の新聞が配られているのもテンションが上がる。
雨降るのね?홍아센で雨降っちゃうのね?!

と言うわけで雨は降るし、途中皆で歌って踊るし叫ぶし、パンは飛ぶし、アンサンブル(ファントム)たちはロビーをローラースケートで走り回ってるし。
相変わらずまあものすごい体験型(?)ミュージカルだった。
大劇場でこれをやるのがすごい、のだが、やっぱり大劇場は大劇場だった。
ロッキーはやっぱりライブハウスのような小さな劇場でやるのが楽しいんじゃないかなー、と改めて思った。
インターミッションのある2幕物になっていたんだけれど、なんかちょっと冗長な感がなきにしもあらずだったし・・・。

でもこのキャストは大劇場ならでは。
マイケル・リー、すっごい可愛くて、細くて、声が素敵で、だから皆マイケル・マイケル言うのね、というのを実感してしまったよ・・・。
博士の衣装がミョーーーに似合っていて、あまりキワモノ感がない。
今回最高のキワモノはフンジョン兄さんでしょう。
あの格好つけの彼がここまで自分を捨てているのを初めて見たので、もう大爆笑。
『Time warp』がノリノリで笑っちゃってて、ああ楽しんでるんだな、というのが良く分かった。
ちなみに고고ブラザーズの若い方、コ・ウンソンさんは今回ほぼ全編通して白シャツ白トランクス白ガウンという、着ているんだか着ていないんだかな心許ない格好で、良い身体しているんだけど衣装がすごい残念で可笑しい。
しかしブラッドはパク・ヨンスさんが超絶似合っていそうだ・・・。

何やかや言っても大好きな作品。
思い切り楽しんで帰って来た。
(楽しめる人はめっちゃハマるだろうけど、楽しめない人は心の底からはあ?って感じだろうな、というのはよく分かるよ・・・)

6月7日『록키호러쇼(THE ROCKY HORROR SHOW)』_e0355303_02260903.jpg

6月5日『모범생들(模範生たち)』_e0355303_23260055.jpg

드림아트센터 4관(ドリームアートセンター 4館)
2017年6月5日 20時~


명준: 윤나무 수환: 정순원 
종태: 임준식 민영: 문성일
プロデューサー:박세경, 박진희 
演出:김태형 脚本: 지이선
照明:구윤영 音楽:배미령 振付:이현정
制作:㈜이다엔터테인먼트 , ㈜쇼플레이



学校も先生も好きだったし友達もいたが、授業にはついていけないし、椅子に座っている時間が長くて毎日が憂鬱だった。
全部なくなってしまえばいい。
戦争が起これば。地震が起これば。隕石が降ってくれば。
自分に期待をしなくなって、投げやりに毎日を過ごす。
私は優等生では全くなかったけれど、この舞台の息苦しさは知っている。

キム・テヒョン演出、チ・イソン作家らしいブラックな笑いの多い舞台。
そして何より非常にリアル。
ちょっとこっちが思わず動揺するくらい。

結局誰も互いに友達なんて思っていなくて、友達できた!と思っているジョンテは一人馬鹿を見て。
過ぎていく時間の中、たまたま同じ学校で、たまたま同じ学年、クラスで。
それだけの関係と言えばそれだけなんだけど、皆互いにどこか信用していないし、敵対心を持っている。
こんな中で育ってマトモな人間ができるのか疑問だなあと思いつつ見ていた。

上位3%を目指すミョンジュン役のユン・ナムさん、小心と臆病、それとは相反する頭の回転の速さからくる意外な大胆さ、そしてのし上がるんだという必死さがすごかった。
済州島から上京してきた農家の息子、スファン役のチョン・スンウォンさん、ともかく可笑しい。
ここぞとばかりに笑いを取りに来るからもう息も絶え絶えだった。
ともかく良かったのが生まれた時から上位0.3%にいる級長、ミニョン役のムン・ソンイルさん。
頭が良くて生意気で、ミョンジュンみたいな必死さが全くない、天然の上位0.3%っぷりがすごく似合っていて。
わーいるいるこういう天才と、ある友人を思い出しつつ。
ミニョン>ミョンジュン>スファン>ジョンテ、と所謂スクールカーストってやつ?そもそもの出来の違い?がはっきり描かれている。

面白かったんだけど、もう一回見るかと聞かれると、ちょっと考える(でも結局見ると思う)。
精神的に辛いものがあるので。

おまけ1:テストの時にやってみよ~!
1:頭を振る
2:咳
3:時計を見る
4:頭を掻く

おまけ2:
アートウォンで宝探しイベやったときに拾った(笑)。
6月5日『모범생들(模範生たち)』_e0355303_02203551.jpg


6月4日『키다리 아저씨(あしながおじさん)』_e0355303_23191316.jpg

DCF대명문화공장 1관 비발디파크홀(DCFデミョン文化工場1館 ビバルディパークホール)
2017年6月4日 19時~

제르비스 펜들턴: 신성록 제루샤 애봇: 임혜영
演出:박소영 翻訳:이희준
制作:대명문화공장, 달 컴퍼니



私はジルーシャ・アボットという女の子が大好きで、恥ずかしながらもう勝手に友達だと思っているくらいなのだけど。
物語が始まる前、この日のジルーシャ、イム・ヘヨンさんが軽快に客席を突っ切って舞台に上がってくるのを、どうかな、と期待半分・不安半分で見つめる。
最初の曲が始まり、彼女の喋る声、くるくると変わる表情を見ながら、あ、ジルーシャだ、と思った。
仲良くなれそう、なんて。
そう思ったら、もうゆったりした気分で公演を楽しめる。
ともかく可愛くって始終にこにこしっぱなし。

昨年9月の初演を見て、思わず即、原作を読みかえしたくらい大好きな作品。
これ見るとホント、名作文学が上手に名作ミュージカルになったなあと思う。
ともかく原作のキャラクターがものすごく良いのだけど、ミュージカルでもその生き生きとした造形を生かせているし、音楽もギターの良く聞こえる、ちょっとカントリーっぽい感じなのがその時代のアメリカ風で楽しい。
何と言ってもハッピーなのがミュージカルらしくて良い。
ミュージカルという形式をとても良く活かしていると思う。

イム・ヘヨンさん、以前に見たイ・ジスクさんのちゃきちゃきなキャラクターと比べると多少控えめな印象だけど、普通の女の子な可愛らしいジルーシャだった。
何かあるとピキっと表情が固まるのが可笑しくって、やっぱり随分笑わしてもらった。

ジャービスが当たり役という評判で、本人もこのミュージカルを大層愛しているらしいシン・ソンロクさん。
去年映画『密偵』の時にスクリーンで見たのを抜いたら、2009年に『마이 스케어리 걸(甘く、殺伐とした恋人)』で見て以来、本当に久しぶりにお姿拝見。
出てきた瞬間相変わらずあんまり大きいし足が長いので思わず笑ってしまった。
随分可愛らしいジャービス坊ちゃんで、白髪ですか、ハゲてますかと聞かれた時の憮然とした表情や、余裕ぶったふふんって感じの表情が、ジルーシャに負けず劣らず可愛い。
“坊ちゃん”呼びが似合う。
カン・ドンホさんのジャービスにはなかった気がするのでびっくりしたのは、ジルーシャが小切手を送ってきたときの手紙を読みながら泣いていたこと。
嬉し泣きしてくれる人がいるというのは幸せなことだし、嬉し泣きしてしまうくらい上手くいくことを願った相手がいるというのも幸せなことだなあ、としみじみ。
もー君たちさっさと結婚しちゃえよー、とこちらの祝福態勢は万全なのだった。

可愛くて楽しくて、ハッピーエンドなのも知っているから私は全く泣く気にはならなかったのだけど、周りで結構鼻をすすっている人がいた。
後ろに座ったカップルは、男の子も随分楽しんでるなあと思ったら、終盤二人で結構ぐすぐすしていたみたい。
良い作品だなあ。
ウェルメイドってホントこういう作品のためにある言葉。
そう実感しつつ、ほくほく気分で家路についたのだった。

6月1日『킬미나우(KILL ME NOW)』_e0355303_23204978.jpg

충무아트홀 중극장 블랙(忠武アートホール 中劇場ブラック)
2017年6月1日 20時~

제이크: 이석준 조이: 신성민
로빈: 신은정 트와일라: 이진희 라우디: 오정택
原作:Brad Fraser 演出:오경택
脚色:지이선 翻訳:김승완
制作:(주)연극열전



2016年初演時にあれだけ良い、良いと聞きながら結局見ることのできなかった作品。
一つ上の階で仕事をしながら噂だけ聞いて、でも見に行けない、という生殺し状態・・・。
今思い出すといろいろ懐かしい。
(千秋楽が3つの劇場とも同じ日で、撤収時にエレベーターをどういう順番で使うかで頭が痛かったこととか。弁当に飽きた人たちが大劇場の食堂(つっても搬入口にできた青空食堂)でご飯食べちゃダメなのか騒いだこととか)

さて『キル・ミー・ナウ』、噂に違わずものすごく良くて、私の観劇史上一・二を争うドン引きの号泣っぷりだった。
障害者の家族物、といったら「泣け!!!!!」と言わんばかりだか、これはすごく上手にできていて泣かされた感はなく。
作品の問いかけの答えを探そうとしても感情に邪魔されるほど、今思い返しても胸が痛い。

物語はこうだ。
ジョイは麻痺系の障害を持っていて、電動車椅子に乗って生活している高校生の男の子。
ジョイの介護に明け暮れるお父さん・ジェイクは、丁度息子が生まれた時に出版した本がベストセラーとなるものの、あまりに高く苦しい現実の壁に、執筆を放棄した作家。
母親は昔に交通事故で亡くなったが、ジェイクの妹のトワイラもちょいちょいお家に遊びに来たりしつつ、ジョイにはラウディという施設育ちのナイスな友達がいたりしつつ、まあなんとか暮らしていっている。
そんな中ジョイは性的な関心が芽生え始め、同時にいつまでも父親に頼っておらず自立したいと思うようになる。
障害があるせいで余計にジョイが心配なジェイクだが、そんな父親の子ども扱いにうんざりなジョイ。
しかしそんな中ジェイクが脊椎系の病気を発症し、ジョイの世話はおろか自分の面倒すら見れない状態になってしまい・・・、という感じ。

最初ジョイが「개쩐다~!!!(ちょーヤベえー!!!、まじパねー!!!、って感じ?英語だとFワードになるのかな)」を連呼するのに思わず笑ってしまう。
あんまり普通の高校生の男の子で。
この作品は全編を通して、ジョイは身体を上手く動かせないだけであくまで普通の男子高生である、ということを描き続けている。
(俺もネットでは普通の人だよ!、の台詞にああそっか、と妙に納得)
(観客の中ではこういう積み重ねがあるから、ロビンがジョイと話す時にわざとゆっくりはっきり喋る姿を見ると、なんとも言えない気分になる)
(偏見が小さくなり、すっかりジョイの知り合いのような気分になっている自分が可笑しい)
ジェイクが病気になってからは、To Doリストを使ってラウディをこき使い(笑)、アラームをセットして薬の時間を逃さず知らせてくれて、同世代の子よりもよっぽどしっかりしているくらい。
だからこそ身体が上手く動かないこと、ありとあらゆることを手伝ってもらわなければいけないことにうんざりだし、耐えがたい羞恥心に繋がったりもするだろうな、と思う。
そんなジョイの心情を、ジェイクも病気になってから理解したのではないかな。

ジェイクがロビンに死にたい、と漏らすのを聞いてしまったジョイ。
10代の子が、親が死にたいと言っているのを耳にしたらショックだろうに、それでもジェイクとトワイラと三人で話し合いの場を設けようとしたジョイに感嘆する。
そして、死にたいという父親の意思を認めてあげるその強さにも。
ジョイは誰よりもジェイクの苦痛、苛立ちを理解している。
そのことはそれまでの物語を通してよく分かるのだけれど、だけど観客の心情としては妹のトワイラが一番近くて。
頭と心がバラバラで途方に暮れてしまう。
死ぬって。安楽死って。殺してしまうってこと?明日からもういないの?
くだらないこと喋って、一緒にご飯食べて、そういう当たり前の時間がもっとずっと続くと思っていたのに?
あまりに過酷な展開に、動揺が抑えられない。

私はもちろんスタディ家の人間ではないし、障害を持つ子どもでも、重病の親でもないし、そもそもこれは虚構だ。
だけど想像してしまう。
何が最善なのか。何がその人の幸せなのか。
もし私の親がこういう状況になったら。
もし私がこういう状況になったら。

「내가 많은 걸 넣쳤구나아(俺はたくさんのことを逃してしまったんだなあ)」
私は、卒業式の日に目を覚ましたジェイクのこの言葉に、もう送ってあげるしかできることはないのかもしれない、と思った。
日々の小さな喜びや、息子の成長を見る楽しみ、そういうものを全て失って、そうして生きることになんの意味があるのだろうか。
正直今でも、この台詞を思い出すだけで涙が出る(大げさに嘆くわけではない、深い悲しみに満ちた、ぽつりとした台詞。イ・ソクチュンさん、ホントもうTT)。
それから、いつものようにジェイクを負ぶって、無理矢理元気よく、掠れる声でいつものように「しゅっぱーつ!」と浴室に向かうラウディにも泣かされた。
ラウディ、あんたホント良い子だよ・・・。

人間らしく生きる権利。幸せに生きること。
暖かいんだけど、ともかく胸にずっしりとくる公演。

おまけ。
こういうこと言うと怒られるかもしれないけど、外国人として外国暮らしをしてみて、外国人って一種の障害者みたいなもんだよな、と思う。
ジョイが、言葉が不明瞭でも実は相手と同じくらい考えのある人であるということ。
ジョイを理解してくれる人と、そもそも最初から目を逸らしてしまう人がいるということ。
あれ、これって私も知ってる感覚だ、と思ったのが面白くて。
まーこういう経験もしてみるもんで。
私もジョイくらい優しく、強くなりたい。


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